日中は陽が差すとあたたかでしたが、
さすがに、さっと気温も下がり、日も暮れる。
庭も、ようやく少しずつ、枯れた枝葉や
鉢物などを片付けて、冬支度へ。
そしたら、家の中も見回したくなった(笑)
「風」クリスティーナ・ロセッティ (色紙)
だあれが風を見たでしょう?
ぼくもあなたも見やしない
けれど木の葉(このは)をふるわせて
風はとおりぬけて行く
だあれが風を見たでしょう?
あなたもぼくも見やしない
けれど樹立(こだち)があたまをさげて
風はとおりすぎて行く(西條八十訳)
Who has seen the wind?
Neither I nor you;
But when the leaves hang trembling
The wind is passing thro'.
Who has seen the wind?
Neither you nor I;
But when the trees bow down their heads
The wind is passing by.
”The Wind” Christina Rossetti
以前、短い詩でご紹介したイギリスの詩人
クリスティーナ・ロセッティ(1830-1894)の詩。
こちらの詩も、『世界童謡集』で知りました。
風の精霊(スピリット)の動きが感じられる詩で、
色紙には、その軽やかな雰囲気で書きました。
クリスティーナ・ロセッティは、病もあって、
半ば隠遁生活を送り、同じく詩人で、ほとんど、
屋敷にひきこもっていたエミリ・ディキンスンと
引き合いに出されます。
両者とも、魅力的な詩をたくさん書いています。
岩波文庫の『クリスチナ・ロセッティ詩抄』は、
復刊しました。
親しみやすい八十訳とはまた違う、古典的な響きの訳です。
誰が一體 風を見た。
私もあなたも見たことないが
枝の垂葉(たれは)がゆれるとき
風が通(かよ)つてゐるのです。
誰が一體 風を見た。
あなたも私も見たことないが
梢がお辭儀をするときは
風が渡つてゐるのです。
(入江直祐訳 )
『シング・ソング童謡集』は残念ながら絶版のようです。
一般の出版物は増えて、本屋さんに本があふれている一方で、
いい本なのになぁと思う書籍、特に古典的な文芸作品は
なかなか手に入りにくくなっているのでしょうか。
ところで、ロセッティには、
『ゴブリン・マーケット』という
また違った一面が見れる作品があります。
矢川澄子さんの訳で「妖魔の市」として
おさめられています。
‘’思春期のエロティシズムを美しくも不気味な
寓意童話に仕立て上げた傑作”と紹介され、
挿絵は、ローレンス・ハウスマン。
この文庫には、他にも興味深い作家と挿絵、
いずれも、ひと味違う作品が並び、
イギリス児童文学の黄金期、
となっています。
また、近年、『ゴブリン・マーケット』は
新しい翻訳本も出たようですね。こちらは、
妖精(物語)に詳しい、井村君江さん監修とあります。
本の話はきりがないので、この辺で(笑)
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