Everyday Magic-筆に想いを

心に響く言葉や詩歌を、書でつづる

「萬物生光輝」-万物、光輝を生ず

 

 

4月の始まりは、まるで冬のようでしたが

今日は晴れて、日差しも戻り、

この後、日に日に

春らしくなってくるようですね。

   

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「萬物生光輝」    はがき

 

読みは、

ばんぶつこうきをしょうず

 

出典は、古楽府(六朝以前の古詩)

長歌行」にあるようです。

陽春布徳澤 萬物生光輝 

前の句の意は、

春の陽気は恵み(徳澤)を与えてくれる。

 

春の訪れとともに

あらゆるものが生き生きとすることを

表わしています。


また、文字通り、すべてのものが輝く、

もしくは、悟りによって、輝きを知るという禅語の

意味でも、好まれている句です。

 

 ところで、写真ではうまく撮れませんでしたが

はがきの色は、鬱金色で、金の散らしも入っています。

 

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萬物輝く春もすぐそこでしょうか。

 

 

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ちいさなことり-まどみちおさんの詩より

 

 

3月も終盤だが、

とても暖かい日というのがなくて、

今日もここら辺は冷たい雨となっている。

その後は、いよいよ春らしくなってくるのかな。

 

 

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「ちいさなことり」 まどみちお (絵柄入りはがき)

 

まどみちおさんの詩です。

 

ちいさな

ことりが

よんだので

おおきな

はるが

でてきた

 

ちいさな

ちょうちょが

あそぶので

おおきな

はるが

わらった 

 

今から、7年ちょっと前になるが

工房を立ち上げた頃

書いた懐かしい一枚。

 

いいなと思ったまどさんの詩を

ふっとはがきに書いて

ぽっと自然に出来上がった。

 

すぐに縁あってこの小品を、ちょうど今頃の季節

お友達のお誕生日に贈りたいという友人がいらして

思わず、たとう紙も手作りし、

レース編みの小花を散らした。

 

私もあれだけしたのはそうそうないが(笑) 

 

受け取られたその方が

ことのほか気に入って

涙が出たといって、大事に持ち歩いていると知り

嬉しかった。

  

実は、

ぽんと生まれ出たような一枚というのは

なかなかないもので、

私も気にいっていたのだった。

 

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心に響く言葉を筆文字で、身近に

    

 「花開蝶自来」(色紙)ー花開けば、蝶自ら来たる

 

 

今年も、早いもので、

今日は、春分の日ですね。

時節では、本格的な

新しい始まりとされています。

季節もエネルギーも新たな流れで

大きく動き出します。

  

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「花開蝶自来」 禅語 (色紙)

 

花開けば、蝶自ら来たる

 

意図することもなく、自然の営みでは

花が咲けば、そこに蝶が訪れる。

 

人も、招かずとも、花(徳)あれば

集まって来るといった意味も。

 

以前、はがきに書いた同語句の記事でも述べています。

 

koboaoineko.hatenablog.com

 

 

私たちは、何かと解釈をしたがりますが、

意味はその時々で、

いかようにも広がり、受けとれるものだと思います。

 

只、純粋に自分らしくあれば、やがて、その成長に応じて

自然と目にとまって

人は見つけてくれたり、やってきたりするものだ、

周りの評価を気にするより、まずは自分に専心せ(整え)よ

というメッセージなどは一般的です。

 

あるいは、

今、変化の最中にあると

時期到来とか、好機到来とも感じられたりもします。

 

ただ、この句のポイントには、

自然さ、無為、無心ということがあるでしょう。

良寛さんの詩にもありました。

 

koboaoineko.hatenablog.com

 

人間の小さな頭でああだこうだと思い悩むよりも

もっと大きな世界(天や自然)の流れに委ねて

まぎれもなく、今ここに生かされている

自分自身を全うする…。

ほかならぬ自分に、日々起きてくるものに出会い、

味わっていくことが、大切かもしれませんね。

 

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心に響く言葉を筆文字で、身近に

    

山村暮鳥の詩『光』より

 

 

春を前に、逡巡するような寒の戻り。

冷たい雨、明日は雪交じりの予報も出ているが

ちょっと季節をフライングして

春の日差しが強く感じられる暮鳥の詩から。 

 

 

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 『光』  山村暮鳥  (はがき)

 

かみのけに
ぞつくり麦穂
滴る額
からだ青空
ひとみに
ひばりの巣を発見け

 

 

山村暮鳥(1884-1924)は、結核で急逝したが、

萩原朔太郎室生犀星らと共に、

日本の近代詩の根幹をなす活躍をした詩人。


こちらは、詩集『聖三稜玻璃』にある「光」という詩。

ふりそそぐ陽の光のもと、

肉感的な躍動感を伴って伝わってくる、

根源的な生命力のような強さ…。


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後年、暮鳥は罹病して牧師職を離れ、文筆家に専心。

より自然で簡素、思索的になっていく詩にも

印象的なものが多く、書いてみたいと思っています。

 

 

ところで、今日のメインブログに

こちらでよく書いている詩人エミリー・ディキンスン

その伝記映画が今夏、上映されるという話を知り、

載せています。

 

www.salon-shiroineko.com

 

 

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心に響く言葉を筆文字で、身近に

    

ハミングバード-「まわる輪の」エミリー・ディキンソンの詩

 

 

日差しがあるとちょっと暖かだけれど、

やはりまだ寒い。特に朝晩は冷え込む。

花咲き乱れ、軽やかに過ごせる季節も、

遠くないはずで、待ち遠しいこの頃です。

 

 

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      「まわる輪の」E・ディキンスン 半紙1/2

 

まわる輪の

消える軌道

エメラルド色の反響

コチニール色の突進

と 茂みの花はみんな

転げおちた頭を上げる

遠いチュニスからの便りでも

楽々とこなす朝の飛行

 

A Route of Evanescence

With a revolving Wheel -

A Resonance of Emerald -

A Rush of Cochinial -

And every Blossom on the Bush

Adjusts it's tumbled Head -

The mail from Tunis, probably,

An easy Morning's Ride -

           (J1463    F1489)

 

こちらでも何回かご紹介した

岩田典子さんの『エミリ・ディキンスンを読む』で

出会った詩。

 

エミリ・ディキンスンを読む

エミリ・ディキンスンを読む

 

 

岩田さんは、この訳詞を記念学会で朗読した際、

楽しそうに歌ったり、読んだりしたそうだ。

それもそのはず、ハミングバード(ハチドリ)が

花々を飛び回る光景だからと。

 

 蜂鳥は十センチほどの小鳥で長いくちばしを持ち、喉の羽毛が金属的な光沢をしたコチニ―ル(深紅)色、羽根がエメラルド色をしている。毎秒50回から75回も羽根を後ろに激しく振るわせて空中に停止し、花に寄る。原詩のr音や u 音b音の連続に見られる蜂の唸るような音をさせて、凄い速さで「まわる輪」のように花から花へ飛んでいく。その美しさは朝の光に映えてエメラルド色とコチニ―ル色をした宝石のようである。くちばしの突進を受けて、大きくおじぎをした花が勢いよく頭をもたげたときには、蜂鳥はもういない。

チュニス」と閃く。この速さなら、遠い遠いチュニスから便りがあっても、多分午前中には届けてくれるだろう。シェイクスピアを愛読したディキンスンは、「嵐」の中で最も遠い地名として使われているアフリカ北部の年「チュニス」を思い浮かべたのだろうか。遠い見知らぬ地名が加わることで、一層エキゾチックな雰囲気が醸し出される。

 

私は、実際のハチドリを見たことはないが、

確かに、綺麗な色の小さな軽やかで高速な動きを

思い描かせる楽しい感じがする。

 

ちなみに、

ネイティブアメリカンメディスンカードには

いろいろな動物が描かれているが、その中での

ハミングバード(44)は、"喜び”のカードだ。

  

koboaoineko.hatenablog.com

 

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「空と海」-金子みすゞさんの詩

 

 

ようやく暖かな晴天となりました。

 

今日は、暦(二十四節気)でも

虫たちも這い出すという啓蟄ですね。 

 

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          「空と海」 金子みすゞ (はがき)

 

春の空はひかる、

絹のよにひかる、

なんでなんでひかる。

 

なかのお星が

透くからよ。

 

春の海はひかる、

貝のよにひかる、

なんでなんでひかる。

 

なかに真珠が

あるからよ。

 

こちらでも度々取り上げております

金子みすゞさんの詩です。

 

水色ぼかしの和紙のはがきに

書いています。

これを額装なり、単純なフレームに入れる時に

無地のマットだけでなく、柄や色のある紙も

ものによっては、映えたり、

イメージが深まるというか、効果的になるんだなぁと

あらためて気づいた一枚でもありました。

 

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書作品も表装を含めて、味わいが増すのと同じですね。

 

いずれにしても、詩が素晴らしいので

及ばずながら、自分でも何か形にしたくなるのですが。

  

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「祥雲」-めでたい雲

 

 

3月になりましたね。

風がまだ寒いですが、

日差しは春めいてきている。

  

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「祥雲」  はがき

 

 めでたい(吉兆の)雲。瑞雲に同じ。

「祥」の字は"めでたい"しるしの意。

墨場必携の出典には、米芾(北宋の書家)

 

吉兆ということで、招福・吉語。

新春の時期や、新しいスタートを祝福する語でもある。

安定感のある書体は、隷書体です。

 

明るく軽やかであたたかな…そうした雰囲気が

届きますように、と青墨で、

バラ色ならぬ桃色のぼかしの入った和紙のはがきに

書きました。

 

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卒業、新しい季節の始まりへの

今日の一枚です。

 

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