Everyday Magic-筆に想いを

心に響く言葉や詩歌を、書でつづる

忘れたるにあらねども-海潮音拾遺(上田敏)より

 

 

師走も、明日で10日にもなろうかと。

 

まだ暖かい日が続いていて、

 

庭仕事というか片付けをしようかと思ったものの、

 

強風で、結局、買い物だけに。

 

昨夜は帰りが遅かった猫も、早めに戻ってきました。

  

 

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「夕づつの淸光を歌ひて」サッフォ(半紙1/2)

 

汝は晨朝(あした)の蒔き散したものをあつむ。

羊を集め、山羊を集め、

母の懐に稚兒(うなゐご)を歸す。

 

 

「君のねがひ」

 

君のねがひ望みたまふもの、

もし道にかなひて尊きことならば、

または、

くちに正しからぬ言葉をたくみたまはずとならば、

いかでか羞(はぢ)は君の眼を蓋(おほ)ふべき、

あからさまにいひいでたまふべきに。

 

 

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「忘れたるにあらねども」(半紙2/1)

 

たかき樹の枝にかかり、

梢にかかり、

果實(このみ)とるひとが忘れてゆきたる、

いな、

忘れたるにあらねども、

えがたくて、

のこしたる紅き林檎の果(み)のやうに。

 

いずれも、上田敏訳になる『海潮音拾遺集』にあります。

 

紀元前615年頃にレスボス島に生まれた

 

古代ギリシアの女流詩人、サッフォ(サッポー)の詩です。

 

古代の人なので、詳細は定かではないものの、

 

若い女性を選び集めた学校を作ったり、恋愛詩も

 

多かったようで、いわゆる同性愛にむすびつけられ、

 

今でいうレスビアンという語も、

 

出身のレスボス島に由来するといわれます。

 

また、プラトンに高い評価を得ていたという詩人ですが、

 

上田敏によって、美しい日本語となって紹介されています。

 

 

岩波文庫の『上田敏全訳詩集』には、多くの外国の詩人の

 

こうした珠玉の作品がたくさん収められていて、

 

詩と共に、日本語の繊細で豊かな感性と美しい響きに

 

いつも、感じ入ります。

 

今日もご覧いただき、ありがとうございました。

 

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