Everyday Magic-筆に想いを

心に響く言葉や詩歌を、書でつづる

「いのちとは 夢 でなくてどうする?」-鏡の国のアリス(ルイス・キャロル)

 

 

11月に入って、

 

しばらくお天気続きそう、ですね。

 

 今日も、日中は暖かで

 

お日さま、気持ちよかった。 

 

まどろむ昼下がりの夢…といえば

 

アリスでもありますが。

 

f:id:koboaoineko:20161106114651j:plain

「いのちとは…」鏡の国のアリスより(34.5×39㎝)

 

いのちとは 夢 でなくてどうする?

Life, what is it but a dream ?     (矢川澄子訳)

 

ルイス・キャロルによる

 

不思議の国のアリス』の続編

 

鏡の国のアリス』の巻末にある詩の最後の行。

 

 

通常、というか、一般的な訳だと、

 

"Life" は、"人生" となるところ、

 

"いのち" とあって、"夢"の前後に空白がある言葉

 

だったのが、大変インパクトあったわけです。

 

 この言葉には、新聞で出会った。

 

もう20年以上前の毎日新聞の ”本を読む” という欄

 

文学者の中村真一郎さんによる寄稿で

 

「アリスの世界」という二回にわたる記事、

 

矢川澄子さん訳の文庫をもとに

 

ルイス・キャロルのアリス、文学についての考察。

 

 (新潮文庫 矢川澄子/訳 金子國義/絵)

 

 

夢の中の荒唐無稽なお話が与える、感覚の純粋さは

 

人間の魂のドラマとしては、実に重要であるということ、

 

また、有名な荘子の”胡蝶の夢

 

「自分が夢を見て蝶だったのか、蝶が夢を見て自分なのか…」

 

に照らして述べられていて、惹きつけられた。

  

“アリスと夢の世界との関係は、「鏡の国」の

 

最後を閉じる詩の最後の行で、作者は明確に定義付けている。” 

 

それが、この言葉ということだった。

 

 

その後、私は(書道団体に属していた当時)

 

社中展で、この言葉を書いた。

 

それまでの漢詩でなく、はじめて

 

(かな文字交じりの)近代詩文書での作品、と

 

いう懐かしい一面もある。

 

もうそれも、15年ほども前のお話(笑)

 

 

さて、 アリスに話を戻すと

  

この詩には仕掛けがあるので

 

一部ではどうかと思いつつ、

 

最後の2連だけ紹介しておきましょう。

 

矢川澄子さんの訳ですが、他にも翻訳者の見せどころ

 

それもまた機会があれば…。

 

のこたちは、ふしぎの国にねそべり

夢のうちにあけくれている

夢のうちに 夏はあまたたびめぐり―—

 

つまでも ながれをただよいくだり—―

こんじきのひかりのうちを たゆたう——

いのちとは 夢 でなくてどうする?

 

In a Wonderland they lie,

Dreaming as the days go by,

Dreaming as the summers die:

 

Ever drifting down the stream ー

Lingering in the golden gleam ー

Life, what is it but a dream ?

                                “Through the Looking Grass”

 

 今日もご覧いただき、ありがとうございました。   

                        

 クリック↓よろしくお願いいたします!


人気ブログランキングへ


にほんブログ村

ありがとうございます!

 

f:id:koboaoineko:20160905125709j:plain

心に響く言葉を筆文字で、身近に