11月に入って、
しばらくお天気続きそう、ですね。
今日も、日中は暖かで
お日さま、気持ちよかった。
まどろむ昼下がりの夢…といえば
アリスでもありますが。
「いのちとは…」鏡の国のアリスより(34.5×39㎝)
いのちとは 夢 でなくてどうする?
Life, what is it but a dream ? (矢川澄子訳)
ルイス・キャロルによる
『不思議の国のアリス』の続編
『鏡の国のアリス』の巻末にある詩の最後の行。
通常、というか、一般的な訳だと、
"Life" は、"人生" となるところ、
"いのち" とあって、"夢"の前後に空白がある言葉
だったのが、大変インパクトあったわけです。
この言葉には、新聞で出会った。
もう20年以上前の毎日新聞の ”本を読む” という欄
文学者の中村真一郎さんによる寄稿で
「アリスの世界」という二回にわたる記事、
矢川澄子さん訳の文庫をもとに
ルイス・キャロルのアリス、文学についての考察。
夢の中の荒唐無稽なお話が与える、感覚の純粋さは
人間の魂のドラマとしては、実に重要であるということ、
「自分が夢を見て蝶だったのか、蝶が夢を見て自分なのか…」
に照らして述べられていて、惹きつけられた。
“アリスと夢の世界との関係は、「鏡の国」の
最後を閉じる詩の最後の行で、作者は明確に定義付けている。”
それが、この言葉ということだった。
その後、私は(書道団体に属していた当時)
社中展で、この言葉を書いた。
それまでの漢詩でなく、はじめて
(かな文字交じりの)近代詩文書での作品、と
いう懐かしい一面もある。
もうそれも、15年ほども前のお話(笑)
さて、 アリスに話を戻すと
この詩には仕掛けがあるので
一部ではどうかと思いつつ、
最後の2連だけ紹介しておきましょう。
矢川澄子さんの訳ですが、他にも翻訳者の見せどころ
それもまた機会があれば…。
あのこたちは、ふしぎの国にねそべり
夢のうちにあけくれている
夢のうちに 夏はあまたたびめぐり―—
いつまでも ながれをただよいくだり—―
こんじきのひかりのうちを たゆたう——
いのちとは 夢 でなくてどうする?
In a Wonderland they lie,
Dreaming as the days go by,
Dreaming as the summers die:
Ever drifting down the stream ー
Lingering in the golden gleam ー
Life, what is it but a dream ?
“Through the Looking Grass”
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