Everyday Magic-筆に想いを

心に響く言葉や詩歌を、書でつづる

詩歌・童謡

七夕に和歌を書きたくなった頃-たなばたのとわたる舟の梶の葉に…

// (水玉はがき) たなばたのとわたる舟の梶の葉にいく秋書きつ露の玉づさ (俊成)【通釈】七夕の天の川の川門を渡る舟の梶――その梶の葉に、 秋が来るたび何度書いたことだろう、 葉に置いた露のように果敢ない願い文(ぶみ)を。(藤原俊成 千人万首より)…

詩心をひきだす-「風に言葉」高田敏子さんの詩

// 今年も、いつのまにか半年にもなろうと、 今日は夏至。 更新が遅くなり、 梅雨の時期になりましたが、 今回の詩は、 爽やかな雰囲気もあります。 「風に言葉」 高田敏子詩 (色紙) 馬は 優しい目をあげ 耳を澄ます 太陽の光はきらめき ポプラの枝先はゆ…

「どうしていつも」-まどみちおさんの詩より

// 早いもので 今年もゴールデンウィークに入り、 5月になろうとしていますね。 「どうしていつも」(色紙作品) 太陽 月 星 そして 雨 風 虹 やまびこ ああ 一ばん ふるいものばかりが どうして いつも こんなに 一ばん あたらしいのだろう まどみちお/詩 …

ちいさなことり-まどみちおさんの詩より

// 3月も終盤だが、 とても暖かい日というのがなくて、 今日もここら辺は冷たい雨となっている。 その後は、いよいよ春らしくなってくるのかな。 「ちいさなことり」 まどみちお (絵柄入りはがき) まどみちおさんの詩です。 ちいさな ことりが よんだので…

山村暮鳥の詩『光』より

// 春を前に、逡巡するような寒の戻り。 冷たい雨、明日は雪交じりの予報も出ているが ちょっと季節をフライングして 春の日差しが強く感じられる暮鳥の詩から。 『光』 山村暮鳥 (はがき) かみのけにぞつくり麦穂滴る額からだ青空ひとみにひばりの巣を発…

ハミングバード-「まわる輪の」エミリー・ディキンソンの詩

// 日差しがあるとちょっと暖かだけれど、 やはりまだ寒い。特に朝晩は冷え込む。 花咲き乱れ、軽やかに過ごせる季節も、 遠くないはずで、待ち遠しいこの頃です。 「まわる輪の」E・ディキンスン 半紙1/2 まわる輪の 消える軌道 エメラルド色の反響 コチ…

「空と海」-金子みすゞさんの詩

// ようやく暖かな晴天となりました。 今日は、暦(二十四節気)でも 虫たちも這い出すという啓蟄ですね。 「空と海」 金子みすゞ (はがき) 春の空はひかる、 絹のよにひかる、 なんでなんでひかる。 なかのお星が 透くからよ。 春の海はひかる、 貝のよに…

「まぶしいはるが」二題-まどみちおさんの詩

// 春並みに、気温が高いようですが すごい風ですね。 春一番になるのか…な 二月も半ば過ぎると、 こういう日も出てきますね。 「まぶしいはるが」 まどみちお 大判はがき きのめが おきる もうすぐ おきる みている ゆめが まぶしい はるが もう くるからよ…

「見えないもの」-金子みすゞさんの詩より

// 今日も晴れ、 風がないので、穏やかな日和になりそう。 寒さの中に、少しずつ春の兆しも 感じ始めています。 「見えないもの」 金子みすゞ (色紙) ねんねした間になにがある。 うすももいろの花びらが、 お床の上に降り積り、 お目々さませば、ふと消え…

歩き始めたみいちゃんー童謡「春よ来い」

// 立春ですね。 旧暦の新年でもあります。 節分も過ぎ、暦では春の訪れを感じ始めますね。 とはいえ、季節はまだ寒さ厳しい時期だったり するのですが…。 「春よ来い」 相馬御風(色紙) 春よ来い 早く来い あるきはじめた みいちゃんが 赤い鼻緒の じょじ…

ジェイムズ・カーカップ-「詩人」という詩

// 晴れて風がないと、暖かい気もしますが やはり寒さ戻ったかな~。 明日から2月。すると 暦では、立春もすぐそこで かえって待ち遠しい春。 「詩人」 ジェイムズ・カーカップ 詩人はいつも働いてばかり ただ一刻(とき)の休みもない 何もしないように見…

幼な子の喜びと悲しみ-ウィリアム・ブレイク 「無垢と経験の歌」より

// こちらは晴れていますが、 風があると、寒いです。 1月も、もう一週ほどで、2月の暦がちらつくと 春の兆しを探したくなりますね。 「喜び」という名の幼な子 ウィリアム・ブレイク (半紙) 「喜び」という名の幼な子 ぼくには名前がないんだ まだ生ま…

冬来たりなば春遠からじ-「西風に寄せる歌」より

// 大寒に向かう週ですが、今季は 週末から、大寒波の襲来で、 大荒れの地域も少なくありません。 大雪が早くおさまりますように。 厳寒の時期を迎えて、より春の到来が待たれます。 「冬来たりなば…」 英詩より (はがき) 「冬来たりなば 春遠からじ」 こ…

「私は可能性に住んでいる」-エミリ・ディキンスンの詩より

// 今年も、10日です。 朝から晴れて、気持ちのいい日和。 青空をのぞむように、深呼吸したくなります。 「私は可能性に…」 エミリ・ディキンスン (半紙) わたしは可能性に住んでいる 散文より美しい家 窓もずっと多く 扉も はるかに素晴らしい どの部屋も…

「ぼくの花」まどみちおさんの詩より-オンリーワンを大切に

// 御用納めの方もいらしたでしょうか。 今年もあと三日ほどになりましたね。 新年を前に、明日は新月です。 このところ、いろいろなものが 新しく切り替わっていくように感じます。 「ぼくの花」 まどみちお (色紙) 朝から かいている花の 絵がようやっと…

『世界童謡集』より-かつての子供と再会して思い起こす何か「森は栗いろ 銀ねずみ…」

// クリスマス・イブですね。 また少し、寒くなってきました。 この時期しかかけないクリスマス音楽を salonshiroineko.hatenablog.com とっかえひっかえかけています(笑) 「森」マージョリー・ウィルスン (色紙) 森は栗いろ 銀ねずみ。 森は女王じゃな…

「昼となく夜となく」ータゴールの生命賛歌

// 急に冬らしくなって、冷え込んでいましたが 今日はまたちょっと穏やかな日和でした。 来週は、冬至もあって 太陽の恵みをあらためて感じる季節と なってきました。 「昼となく夜となく」 R・タゴール (半紙) 昼となく夜となく わたしの血管をながれる同…

「一杯の水」メイ・サートンの詩より-透明な活力

// 日中は穏やかな感じだったが、 だんだん曇ってきて、雨が降り出してきた。 晴れると嬉しいが、乾燥気味になると 大地へのお湿りもありがたい。といっても、 夜中に、強く降る予報も。ほどほどがいいですが…。 「一杯の水」 メイ・サートン (色紙) ここ…

忘れたるにあらねども-海潮音拾遺(上田敏)より

// 師走も、明日で10日にもなろうかと。 まだ暖かい日が続いていて、 庭仕事というか片付けをしようかと思ったものの、 強風で、結局、買い物だけに。 昨夜は帰りが遅かった猫も、早めに戻ってきました。 「夕づつの淸光を歌ひて」サッフォ(半紙1/2) 汝は…

「希望は羽根をつけた生き物…」エミリ・ディキンスンの詩より

// 師走ですから、また 寒くなるのでしょうが、 このところ 穏やかな暖かい日が続きます。 「希望は…」エミリ・ディキンスン(柄入り色紙) 「希望」は羽根をつけた生き物―― 魂の中にとまり―― 言葉のない調べをうたい―― けっして休むことがない―― そして甘美…

金子みすゞさんの詩より「みんなちがって、みんないい」-常識という名の集合意識にご用心

// 金子みすゞさんの詩 “私と小鳥と鈴と” 以前、はがきに、試し書きしたものを載せたことがあった。 koboaoineko.hatenablog.com その時、色紙に書いたものをいずれ、といったのが、こちら。 「私と小鳥と鈴と」 金子みすゞ (色紙) 私が両手をひろげても、…

「わずかばかりの贈り物と…」エミリ・ディキンスン-”無”のちから

// クリスマスには、まだひと月ありますが この寒さ・・・ 11月の初雪、降りましたね。 こちらは、千葉北西部ですが ようやく、止んだかな。 「わずかばかりの贈り物と…」エミリ・ディキンスン (半紙1/2) わずかばかりの贈り物と つたない言葉では わたし…

「素朴な琴」八木重吉さんの詩より-晩秋を味わう

// 昨日は冷たい雨でしたが、今日はあたたか。 晩秋になるのでしょうが、 寒くなってくると、一段と紅葉が美しくなってきます。 ちょうど、用事ついでに ご近所さんと立ち話をしながら、 木々の色づきを愛でて 庭木の話で盛り上がるのは楽しかった。 「素朴…

「誰が風を見たでしょう?」クリスティーナ・ロセッティー童謡~ヴィクトリア朝の妖精物語

// 日中は陽が差すとあたたかでしたが、 さすがに、さっと気温も下がり、日も暮れる。 庭も、ようやく少しずつ、枯れた枝葉や 鉢物などを片付けて、冬支度へ。 そしたら、家の中も見回したくなった(笑) 「風」クリスティーナ・ロセッティ (色紙) だあれ…

「忙中、猫あり」長田弘さんの詩より-アナザー・タイムをたもつ

// 今日は満月。 昨晩、すでに、とても綺麗だった。 雨が降り出す前に、 気になっていた庭の落ち葉掃除。 地面が見えたら、少しすっきりした(笑) あちこちの木々、色づいた葉がとても美しい。 静かに辺りを愛でていたい。 「忙中、猫あり」その1 長田弘 …

絵本『エミリ・ディキンスン家のネズミ』から-寄り添う言葉

// 詩人エミリ・ディキンスン家に 住みついた白ねずみのエマライン。 エミリの詩に触発されて、 詩を書き出し、 ひそやかにエミリとの交流(文通)が始まる。 ディキンスンの詩12篇と、エマラインの詩7篇も ちりばめられた可愛らしくて素適な物語(絵本) …

「不思議」金子みすゞさんの詩と、あたりまえはない「センス・オブ・ワンダー」

// 昨日は立冬でしたね。 だんだん寒くなってきました。 さて、前回、アリスの話をして、 ワンダーランド(不思議の国)続きと いうわけでないものの、 この詩を思い出しました。 「不思議」 金子みすゞ (大判はがき15×20㎝) 私は不思議でたまらない。 黒…

「静かな日」長田弘さんの詩-たのしむとは沈黙に聴きいること

// 冬日のあと、ちょっと寒さがゆるみ、ほっと。 文化の日は、晴天が多いとか やはり、秋晴れでした。 葉の落ちた利休梅(リキュウバイ)と、落葉中の桜の木 「静かな日」 長田弘 (半紙) 目は見ることをたのしむ。 耳は聴くことをたのしむ。 こころは感じ…

「一粒の砂に世界を…」-無垢の予兆(ウィリアム・ブレイク)より

// 11月になりました。 今年もあとふた月ですね。 午後には、雨は上がり、 青空も広がりましたが、 結構、寒くなってきました。 「一粒の砂に世界を…」ウィリアム・ブレイク 色紙) 一粒の砂に世界を 野の一輪の花に天を観る 手のひらに無限を 一時(ひとと…

「いわずにおれなくなる」まどみちおさんの詩より-謙虚な詩人を駆り立てるもの

// 新月前の寒い日曜日。 暖房器具の一つ、ストーブの 試運転しました。一軒家は底冷えしますね。 あったかい幸せ。。。今季もお世話になります。 エアコンもそう、何て恵まれた私たち。 「いわずに おれなくなる」 まどみちお (半紙) いわずに おれなくな…