Everyday Magic-筆に想いを

心に響く言葉や詩歌を、書でつづる

山村暮鳥の詩『光』より

 

春を前に、逡巡するような寒の戻り。

冷たい雨、明日は雪交じりの予報も出ているが

ちょっと季節をフライングして

春の日差しが強く感じられる暮鳥の詩から。 

 

 

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 『光』  山村暮鳥  (はがき)

 

かみのけに
ぞつくり麦穂
滴る額
からだ青空
ひとみに
ひばりの巣を発見け

 

 

山村暮鳥(1884-1924)は、結核で急逝したが、

萩原朔太郎室生犀星らと共に、

日本の近代詩の根幹をなす活躍をした詩人。


こちらは、詩集『聖三稜玻璃』にある「光」という詩。

ふりそそぐ陽の光のもと、

肉感的な躍動感を伴って伝わってくる、

根源的な生命力のような強さ…。


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後年、暮鳥は罹病して牧師職を離れ、文筆家に専心。

より自然で簡素、思索的になっていく詩にも

印象的なものが多く、書いてみたいと思っています。

 

 

ところで、今日のメインブログに

こちらでよく書いている詩人エミリー・ディキンスン

その伝記映画が今夏、上映されるという話を知り、

載せています。

 

www.salon-shiroineko.com

 

 

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心に響く言葉を筆文字で、身近に

    

ハミングバード-「まわる輪の」エミリー・ディキンソンの詩

 

日差しがあるとちょっと暖かだけれど、

やはりまだ寒い。特に朝晩は冷え込む。

花咲き乱れ、軽やかに過ごせる季節も、

遠くないはずで、待ち遠しいこの頃です。

 

 

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      「まわる輪の」E・ディキンスン 半紙1/2

 

まわる輪の

消える軌道

エメラルド色の反響

コチニール色の突進

と 茂みの花はみんな

転げおちた頭を上げる

遠いチュニスからの便りでも

楽々とこなす朝の飛行

 

A Route of Evanescence

With a revolving Wheel -

A Resonance of Emerald -

A Rush of Cochinial -

And every Blossom on the Bush

Adjusts it's tumbled Head -

The mail from Tunis, probably,

An easy Morning's Ride -

           (J1463    F1489)

 

こちらでも何回かご紹介した

岩田典子さんの『エミリ・ディキンスンを読む』で

出会った詩。

 

エミリ・ディキンスンを読む

エミリ・ディキンスンを読む

 

 

岩田さんは、この訳詞を記念学会で朗読した際、

楽しそうに歌ったり、読んだりしたそうだ。

それもそのはず、ハミングバード(ハチドリ)が

花々を飛び回る光景だからと。

 

 蜂鳥は十センチほどの小鳥で長いくちばしを持ち、喉の羽毛が金属的な光沢をしたコチニ―ル(深紅)色、羽根がエメラルド色をしている。毎秒50回から75回も羽根を後ろに激しく振るわせて空中に停止し、花に寄る。原詩のr音や u 音b音の連続に見られる蜂の唸るような音をさせて、凄い速さで「まわる輪」のように花から花へ飛んでいく。その美しさは朝の光に映えてエメラルド色とコチニ―ル色をした宝石のようである。くちばしの突進を受けて、大きくおじぎをした花が勢いよく頭をもたげたときには、蜂鳥はもういない。

チュニス」と閃く。この速さなら、遠い遠いチュニスから便りがあっても、多分午前中には届けてくれるだろう。シェイクスピアを愛読したディキンスンは、「嵐」の中で最も遠い地名として使われているアフリカ北部の年「チュニス」を思い浮かべたのだろうか。遠い見知らぬ地名が加わることで、一層エキゾチックな雰囲気が醸し出される。

 

私は、実際のハチドリを見たことはないが、

確かに、綺麗な色の小さな軽やかで高速な動きを

思い描かせる楽しい感じがする。

 

ちなみに、

ネイティブアメリカンメディスンカードには

いろいろな動物が描かれているが、その中での

ハミングバード(44)は、"喜び”のカードだ。

  

koboaoineko.hatenablog.com

 

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空と海-金子みすゞさんの詩

 

ようやく暖かな晴天となりました。

 

今日は、暦(二十四節気)でも

虫たちも這い出すという啓蟄ですね。 

 

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          「空と海」 金子みすゞ (はがき)

 

春の空はひかる、

絹のよにひかる、

なんでなんでひかる。

 

なかのお星が

透くからよ。

 

春の海はひかる、

貝のよにひかる、

なんでなんでひかる。

 

なかに真珠が

あるからよ。

 

こちらでも度々取り上げております

金子みすゞさんの詩です。

 

水色ぼかしの和紙のはがきに

書いています。

これを額装なり、単純なフレームに入れる時に

無地のマットだけでなく、柄や色のある紙も

ものによっては、映えたり、

イメージが深まるというか、効果的になるんだなぁと

あらためて気づいた一枚でもありました。

 

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書作品も表装を含めて、味わいが増すのと同じですね。

 

いずれにしても、詩が素晴らしいので

及ばずながら、自分でも何か形にしたくなるのですが。

  

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心に響く言葉を筆文字で、身近に

    

祥雲-めでたい雲

 

3月になりましたね。

風がまだ寒いですが、

日差しは春めいてきている。

  

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「祥雲」  はがき

 

 めでたい(吉兆の)雲。瑞雲に同じ。

「祥」の字は"めでたい"しるしの意。

墨場必携の出典には、米芾(北宋の書家)

 

吉兆ということで、招福・吉語。

新春の時期や、新しいスタートを祝福する語でもある。

安定感のある書体は、隷書体です。

 

明るく軽やかであたたかな…そうした雰囲気が

届きますように、と青墨で、

バラ色ならぬ桃色のぼかしの入った和紙のはがきに

書きました。

 

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卒業、新しい季節の始まりへの

今日の一枚です。

 

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新生-新たに生まれかわる

 

また寒くなったりしながらも

土の中から、緑の小さな芽が

そこかしこに、顔をのぞかせている。

 

明日は、新月。日食だそうですね。

私たちも、毎日新たなスタートを

続けているともいえるかも。

 

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    『新生』    (はがき)

 

古代の篆書体(金文)による。

位牌を作る木を神意によって選び、新しく切り出すことが

「あたらしい、はじめ」の意味になる「新」

「生」は草が生え出る形。生長することから、人が「うまれ、

そだつ、いきる、いのち」の意味となったという

       (白川静常用字解』より)

 

常に自然の中では新たな始まりがあり、

また私たちの小さくとも

新たな決意(芽生え)といったものを大切にしたい。

そのような想いもシンプルに表わせたら…。

 

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あるいは、何かを取り壊して、

また新たに創り上げるという

新生もある。

 

終わりがあれば、始まりもあるように、

絶え間ない循環を感じる季節の変わり目。

 

特に春は、装いも新たというか

刷新するようなエネルギーを

感じさせてくれますね。

 

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一字書『華』-今日の一枚

  

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   「華」 はがき(和紙ぼかし)

        「額入りサイズ:30.5×25.5㎝」

 

花びらが美しく咲き乱れている形の象形。

咲き乱れている花の形であるから、

「はな、はなやか」の意味となる。

白川静『常用字解』より)

 

咲きほころぶ花の様子からきている “華”の

篆書体。

やわらかく明るく楽しい雰囲気を

青墨を使って

ピンク色のぼかしの和紙はがきに

表わしました。

 

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季節の変わり目は、天候が安定しませんが、

やわらかな日差しのなか、

花々が咲き乱れる春も近づいてきました。

 

まさに、華やいだ季節である

春の到来を想いつつ、

今日の一枚でした。

 

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「まぶしいはるが」二題-まどみちおさんの詩

 

春並みに、気温が高いようですが

すごい風ですね。

春一番になるのか…な

二月も半ば過ぎると、

こういう日も出てきますね。

 

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  「まぶしいはるが」 まどみちお   大判はがき

 

きのめが おきる

もうすぐ おきる

みている ゆめが

まぶしい はるが

もう くるからよ

 

ちょうちょを

つれて

ゆきのやま

こえて

ひとりで ひとりで

もう くるからよ

 

こちらでも、おなじみの

まどみちおさんの詩です。

 

説明いらないですね(笑)

 

先に、大判はがき(二層紙)を上げましたが、

この詩を最初に書いた時は、

和紙の柄入り便せんでした。

柔らかな風合いの紙です。 

 

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ちなみに、二層紙というのは、重単宣、つまり紙が二重なので

筆力も少しいりますが、うまく墨がのれば深みも出るので、

大作にはよく使いました。(単宣だと、強い線を引いて、

墨がたまり、紙が切れてしまう場合もあるのです)

このはがきの場合は、絵手紙などに使うようですね。

 

話がそれましたが、

季節の変わり目になってきて

気温も変動が大きくなりそうです。

確かに、

まどさんの詩のように、木の芽が起きてきて、

地面からは、緑の新芽があちこちで見られ、

春はすぐそこという感じになってきました。

風、おさまってくれないかな。

  

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